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おおすみ型輸送艦という名称は、海上自衛隊としては、その初期にアメリカ海軍より貸与された初代おおすみ型に次ぐ2代目となる。

あつみ型輸送艦やみうら型輸送艦などこれまでの輸送艦は、海上から陸上に物資を揚陸する際は直接砂浜に乗り上げるビーチングを使用していたが、おおすみ型ではエアクッション艇1号型(LCACとも呼ばれるホバークラフト型揚陸艇)を使用して陸上への輸送を行う方式になった。LCACによる輸送にかわった理由としては、ビーチングの場合揚陸できる海岸は世界の海岸線の15%ほどしか無いのに対し、ホバークラフトならば揚陸に使用できる海岸は世界の海岸線の70%程度と大幅に増えること、ビーチング揚陸方式の輸送船は船底形状が平面形となり、高速航行能力や動揺抵抗性能を思うように得られないことなどが挙げられる。

おおすみ型は、右舷側に寄せたアイランド型の艦橋構造物と、全体を一枚の甲板で構成する全通甲板を有している。そのため航空母艦あるいは強襲揚陸艦に類似した形状をしているが、ヘリコプターなどの航空機を整備する能力はなく、格納庫・エレベーターも車両用のものしかない。また、艦橋構造物の幅が広いため固定翼機の滑走は困難で、甲板はハリアーなど垂直離着陸機のジェットエンジンが出す高熱の排気には耐えられない可能性が高いとされる(ひゅうが型護衛艦も同様とされる。)。実際に2005年の前年に発生したスマトラ沖地震の援助の際、3番艦くにさきが陸上自衛隊のヘリコプター5機を搭載し派遣されたが、ヘリコプター運用にはかなり困難が伴った(例えば、ヘリコプターの整備能力がなかったため、UH-60系ヘリの整備はしらね型護衛艦「くらま」内の整備施設で行い、陸自のCH-47ヘリは、点検以外の整備が出来なかった)。能力的にはヘリコプター運用能力が低く、車両の運搬能力に長じた揚陸艦で、これは諸外国で言うドック型輸送揚陸艦に近い。

おおすみ型輸送艦には、アメリカ海軍式の艦種類別記号に従って“LST(Landing ship,Tank、直訳すると戦車揚陸艦)”が割り振られているが、上記のように能力的にはドック型揚陸艦(Landing Platform Dock)であるので本来ならこれに相当するLPDの分類記号が割り当てられるべきである。

また、1番艦「おおすみ」には、外洋航海やヘリ離発着には欠かせないフィンスタビライザー(横揺れ防止装置)が、政治的判断から装備されなかった(2番艦以降には装備された)が、平成18年度防衛庁予算において、国際緊急援助活動に対応するための大型輸送艦の改修費として予算化された。また、同時に航空燃料の容量も増大される。なお、就役当初にはなかったTACAN(戦術航法システム)が現在では搭載されており、ヘリ運用において若干の改良は行われているようである。

スマトラ沖地震直後の国際緊急援助隊派遣の後、2005年6月に「しもきた」の車両甲板上に陸上自衛隊の「野外手術システム」を展開する技術試験を行った。結果は上々であり、複数の「野外手術システム」の展開が可能とされ、災害時には艦内の手術室に加えて同システムを搭載し、現地で医療機関の不足を代替する病院船としても活用されることとなった。2006年度に、「野外手術システム」の電源を艦内から取るための艦内改装を順次行う予定。

なお、海上自衛隊では全通甲板のヘリコプター搭載護衛艦であるひゅうが型護衛艦(16DDH及び18DDH)の導入を計画しており、これは本格的なヘリ空母となる見込みである。

おおすみ型の追加建造や改良・派生型(ヘリ整備の可能、重量増加型)が建造されるかは未定。

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「イージス艦」とは、イージスシステムを搭載したあらゆる艦艇を指す総称である。したがって、「駆逐艦」「巡洋艦」といった軍艦の艦種を指すものではない。

イージス艦は、イージス・システムを搭載することによって、特に防空能力について非常に優れている。このため、艦隊において防空の要として活動することが多いが、多数を保有するアメリカにおいては、汎用艦としての活動を兼任させている。その防空能力はいずれもイージス・システムによってもたらされたもので、遠くの敵機を正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断・対応できる情報処理能力、一度に多くの目標と交戦できる対空戦闘能力によって支えられている。これらの能力は、対空戦闘以外にも応用され、イージス艦の戦闘能力を全般的に優れたものにしている。

現在ではミサイル防衛(BMD) においての使用も計画されているほか、強力なレーダーや情報処理能力、ネットワーク能力を持つことから軍事における情報革命(RMA)などにおける海軍作戦の重要な要素ともなる。

その一方で、武装の搭載量や抗堪性などは、従来の艦と比べて特に優れているわけではない。従って、かつての戦艦に相当するような艦と誤解することは避けるべきである。また、建造費や運用コストなどが高くつくことも強いて挙げれば欠点のひとつといえよう。

イージス艦の搭載するイージスシステムは極めて高価であるうえ、開発国アメリカの提供認可査定が極めて厳しいことから、その保有は相応の経済力とアメリカからの同盟国としての信頼を持つ国家に限られている。また、これらの要件を満たしていたとしてもその国の置かれている環境において過剰性能となる場合、あえて導入しないという選択肢もありうる。

硬化目標や地下の目標を破壊するための特殊な爆弾。コンクリートや盛土を貫通したのちに炸裂する。掩蔽壕破壊弾、特殊貫通弾とも。

この種の兵器は、第二次世界大戦中に登場した。

当時のイギリスはドイツ軍のUボートによる通商破壊で甚大な被害を受けていた。イギリス軍はUボート戦力を殲滅しようとしたが、Uボートはブンカーと呼ばれる頑丈なコンクリートで覆われた掩蔽壕内に停泊していたため、通常の爆弾では攻撃しても被害を与えられなかった。そこでイギリス軍は、トールボーイやグランドスラム(通称地震爆弾)などの超巨大爆弾による攻撃を行った。これはブンカーに対して十分有効であり、Uボートのうち何隻かを破壊したが、あまりにも巨大で効率的な兵器とは言い難かった。

また、イギリスはロンドン地下に強固な防空壕を作り政府・軍司令部など重要施設を移したため、ドイツ軍は防空壕破壊用の地下貫通爆弾で空爆を行った。地下貫通爆弾は鉄鋼弾頭がその重量の80%を占めており、地表および防空壕天井を貫通した後に炸薬が爆発するように作られていた。ドイツ軍の地下貫通爆弾が登場すると、イギリスは防空壕をさらに堅固なものに改装するなど、攻撃側と防衛側での競い合いが続いた。


第二次大戦後、冷戦時代は硬化目標には核攻撃が想定されていたため、貫通能力の必要な兵器は必要とされず、ほとんど開発は行われなかった。しかし、湾岸戦争で地下施設を破壊する必要が生じ、当初は地震爆弾のような兵器の使用が考慮されたものの、結局間に合わせで新しい爆弾を設計することとなった。これが一般にバンカーバスターとして知られる GBU-28 である。この 2t の爆弾の他に、現在では若干小さい型のものも開発され、以降アフガニスタン戦争やイラク戦争でも用いられた。使用方法としては、自由落下や、ロケットで加速した後に着弾させることもできる。貫通能力が使用方法によって異なり、自由落下の場合に粘土層を 30m 貫通、ロケットで加速した場合に強化コンクリート壁を 6.7m 貫通したとされる。

また、地下貫通爆弾の弾頭に核兵器を搭載した RNEP (Robust Nuclear Earth Penetrator) と呼ばれる兵器の開発計画が存在する。
この爆弾は、通常の空対地爆弾とほぼ同サイズのケースの中に、数個から数百個の子弾(爆弾や地雷)を搭載し、母機から投下後に空中でケースが破裂することにより子弾を散布させて広範囲にわたって小規模の爆発を引き起こすなどしてダメージを与える。主に人的被害やあまり強固ではない施設・兵器への広範囲の被害を狙うものである。 第二次世界大戦には「モロトフのパン籠」(→M69集束焼夷弾)と呼ばれた集束焼夷弾が用いられているが、これも一種のクラスター爆弾で、38ないし48発の焼夷弾を高度 700 m で爆散させ、高密度に焼夷弾を降らせた。 ベトナム戦争においても使用されたが、当時は『ボール爆弾』と呼ばれた。爆弾本体に野球ボール程度の大きさの子爆弾が300個ほど内蔵され、その子爆弾ひとつにつき600個ほどの金属球が入っており、これが爆発によって飛散する。加害面積は親弾の炸裂高度によって変化する。この子爆弾は手榴弾や指向性の無い散弾地雷のように子爆弾炸裂周辺部にいた人員など「柔らかい標的」を殺傷する。 現代のクラスター爆弾では、子弾はタイプによって様々なものがあり、米軍の装備としては対人・対装甲車両で202発の子弾を収めた CBU-87/B から対装甲車両(戦車など)で10発の子弾を収めた CBU-97/B、対装甲で指向性成型炸薬子弾247発を収めた CBU-59(ロックアイII)などがある。また、戦闘爆撃機である F-15E は CBU-59 を最大26発搭載でき、一回の出撃で最大6,422発の子弾を投下することができる。 子弾1個1個の威力は弱いので、鉄筋コンクリートビルやトーチカのような強固な建造物などに対する攻撃には向かない。しかし爆発物を散布することから通常の爆弾より広範囲にダメージを与えられる分、対人や対装甲車両用の面制圧兵器としては効果的である。 子弾にリボンやパラシュートの付いたタイプは対装甲目標用で、HEAT 弾頭を下に向けるための仕組みである。 子弾として対人地雷や対戦車地雷を搭載した、いわば「地雷散布タイプ(BLU-91/BないしBLU-92/B)」も存在するが、これらは対人地雷禁止条約(オタワ条約)の規制対象となっている。

対弾道弾ミサイルとして開発がほぼ終わっていたERINTミサイル(Extended Range Interceptor Missile)を既に発射機として実績があったパトリオットの発射システムに載せたのがパトリオットPAC-3である。PAC-3はPAC-2までに比べ小型であり、今までPAC-2までのミサイルでは1発が入っていたミサイル・キャニスタにPAC-3なら4発が格納出来る様になった。これにより1発射機にPAC-3なら最大16発となる。対航空機においては1/3も小型であることから射程距離は半減した。破壊力を高める為、弾頭は近接信管だけではなくヒット・トゥ・キル(Hit-to-kill)、つまりPAC-3ミサイルの飛翔体全体を目標弾道ミサイルに直接衝突させ、その運動エネルギーによって目標を粉砕破壊する方式のものに変えられた。翼による姿勢制御だけではなく、ACM(Attitude Control Motors)と呼ばれるサイドスラスタを前部に装備し機動性を高めている。Kaバンドのアクティブ・レーダー・シーカーにより誘導される。

弾道弾ミサイルへの直撃をはずした場合の出来るだけの対処として、PAC-1で2グラム、PAC-2で45グラムであった破砕断片を225グラムペレット24個に変えて弾道弾の撃墜の可能性を高めている。PAC-3では航空機や空対地ミサイルの撃墜能力においては従来のPAC-2に劣るが、その代わりに高速で飛来する弾道弾を撃墜する複合型防空システムに生まれ変わった。

パトリオット・ミサイルPAC-2でも弾道弾迎撃の可能性はあり、湾岸戦争では一応スカッド・ミサイルの迎撃にも使用されたが、パトリオット・ミサイルは初期の設計段階から弾道弾迎撃は考慮されていなかったため当然限界がある。

パトリオット・ミサイルPAC-3はMSE(Missile Segment Enhancement)と呼ばれる向上計画が進行しており、フィンとロケットモーターの変更により最大で50%の性能向上が2008年に予定されている。

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